中国が完敗した2016年の南シナ海仲裁判断とは
7月12日、南シナ海の領有権に関する中国の主張を全面的に否定した仲裁判断から10年を迎えた。日本、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、イタリア、オーストラリア、フィリピンら14か国は、中国に対し、仲裁判断の遵守を求める共同声明を発表したが、中国は強硬姿勢を崩していない。
野村修也
2026.07.22
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(1)南シナ海仲裁判断とは
南シナ海の仲裁裁判とは、フィリピンが2013年1月22日、中国を相手として、国連海洋法条約(UNCLOS)第287条および附属書VIIに基づいて開始した仲裁手続(正式名称は、The South China Sea Arbitration(The Republic of the Philippines v. The People’s Republic of China)、事件番号はPCA Case No. 2013-19)をいう。これを受けて、国連海洋法条約附属書Ⅶに基づいて組織された5名の仲裁廷は、2015年10月29日に管轄権・受理可能性判断を、2016年7月12日に本案判断を言い渡した。結論として、中国の主張を全面的に退け、中国の南シナ海での活動を違法と認定した画期的な判断であった。
それから10年の節目を迎えた2026年7月12日、フィリピン、日本、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、イタリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、スロベニア、オーストラリア、ニュージーランドの14か国が、仲裁判断を無視し続ける中国に対し、その遵守を強く求めた。これに合わせて、茂木外務大臣も「仲裁判断に従わないことは国際社会における法の支配を損なう」といった談話を出した。