自衛官が自民党大会で国歌斉唱
自衛官が自民党の党大会で国歌を斉唱したことが、野党からの批判を招いている。結論から言えば、この行為は自衛隊法には違反しないので、当該自衛官に非はない。同様に依頼した自民党にも違法性はないことになるが、その判断は軽率だったと言わざるを得ない。また、当該自衛官が私人として出席することについて相談を受けた自衛隊についても、違法性は認められないものの、やはり差し控えるよう助言をすべきだったと思われる。
野村修也
2026.04.15
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自衛隊法61条1項は、「隊員は、政党又は政令で定める政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法をもつてするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除くほか、政令で定める政治的行為をしてはならない。」と規定している。
この条文は、(1)政党又は政令で定める政治的目的のために、寄附金その他の利益を①求めたり、②受領したり、③これらの行為に関与することと、(2)選挙権の行使を除き、政令で定める政治的行為をすることを禁止している。
国家斉唱は、寄附金その他の利益の要求・受領・関与行為ではないので、(1)の禁止行為に触れる余地はない。