日本国旗損壊罪について

刑法92条は、「外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損した者は、2年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金に処する」と定めている。しかし、日本国旗に対して侮辱目的で同様の行為した場合の罰則規定は存在していない。
野村修也 2026.05.13
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 外国国旗損壊罪は、侮辱目的で外国国旗を損壊する行為を放置すると外国との間で外交問題に発展し日本の国益を損なう危険性が高いため、それを防ぐ目的で置かれている。そのため、保護法益が異なる日本国旗損壊罪は、無くても構わないという意見は根強い。

 しかし、そもそもなぜ侮辱目的で外国国旗を損壊すると外交問題に発展するのだろうか。それは国旗というものがその国の象徴であり、その国の国民統合の象徴であるため、侮辱目的で国旗を損壊すると、国民の多くがそのアイデンティティや自尊心を傷つけられるからだろう。

 そうだとすれば、日本国旗が侮辱目的で損壊された場合も、日本国民全体に対する侮辱の効果(国民の多くがそのアイデンティティや自尊心を傷つけられるといった効果)が生ずるはずで、そこに特段の違いはない。そして、仮にかかる国民全体に対する侮辱行為が、社会全体に憎悪と分断を蔓延させ治安の悪化を招くとするならば、刑事罰を用いて防ぐことを検討することは何ら不自然なことではない。

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